| 別荘全体をひとつの空間に
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| 建築家の増田政一さんが、自らの別荘で試みたのは、「設計者として、それまでやりたくてもやってこなかったこと」。そのひとつが、浴室とトイレ以外はドアや引き戸をなくし、地階になる玄関からロフトまでをそれぞれ吹抜けでつないで、全体をひとつの空間にすることだった。限られたスペースが広々と感じられると同時に、視線を遮るものが少ないので外への広がりも確保できる。木造でアールを多用することも、試みのひとつだった。LDKと吹抜けでつながった2階床をアールにカットし、屋根にはドーム形状を採用して、空間に柔らかな印象を醸し出している。さらにLDKにあるアールのテーブルも増田さんの設計で、ヨットの2枚のセイルをモチーフにしたもの。その名もスループ(ディンギーヨットのセイルの形式)と名付けられている。 |
| ここは出発点であり帰着点
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敷地はいちばん低いところで道路から4mほど高低差があり、西側に近いほど高くなっている。だから、基礎は高いところで2m、低いところでは50cmと斜めの形状だ。
「この基礎に費用がかかりましたけど、そのぶんドアがないのでそれほどコストには響きませんでしたね」。ちなみにインテリアコーディネーターでもある路子さんは、建物のカラーと壁の飾りや室内に置く小物を担当した。
政一さんはヨットの趣味と仕事を兼ねて、ほとんど毎週といっていいほどよく訪れている。「この別荘は、建築家としてやりたいことを全部やった帰着点でもあり、その後、私が設計する作品に使うモチーフの出発点でもあるんです」。
そういう意味からも愛着があるという政一さんだ。 |
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| アール形状に切り取られた2階床と吹抜けになったLDK。テーブルはオリジナルデザインのスループ |
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