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2005/6/15更新

週末、海辺に帰る。都会生まれが手に入れた、もうひとつの故郷

房総・渡辺さん

忙しいオーナーシェフを癒す海辺の休日
 房総、千倉。半島の突端に近い、海辺の町に渡辺康二さん(40歳)の別荘はある。海岸から少し離れた、民家が立ち並ぶ一角。いわゆる別荘地ではなく、地元の人たちの生活エリアだ。
 「そんなに予算があったわけではないので、海が見える高台などはとても無理。安く借りられる借地があるということで決心したんです」と笑う渡辺さんは、日本橋生まれの根っからの都会っ子。現在は八丁堀でスパゲッティ専門店を開いていて、店にあのフリーダイビングの名手ジャック・マイヨールの名を冠して「マイヨール」と名付けるほどのダイビング好きでもある。
 「ダイビングを始めたのは10歳のとき。以来ずっと、房総の海に通って来ていたんです」
 料理修業中も、店を開きオーナーシェフになってからもその習慣は変わらなかった。いやむしろ、店を開いてからのほうが海に来る頻度は増したとか。
 「ランチもやってますので、朝店に入ると、閉店後の片づけが終わる夜の11時過ぎまでずっと店に居続けなんです。それが月曜から土曜日まで続くんですね。だから日曜日になると無性に海に行きたくなるんです」

建築家に依頼して、ローコストで別荘を建築
 そんな海通いの日々、宿泊には民宿を利用していたが、あるとき別荘を建てようと決心する出来事が。
 「僕には故郷がないとある人にいったら、じゃあ自分でつくればといわれたんです」。いわば、「目からウロコ」だった。とはいえ店を開いて間もないころで、予算が潤沢にあるわけではないので人づてにこの借地を探し、建てることに。建物の設計は、知人の紹介で知り合った建築家の黒木実氏に依頼した。黒木氏はすでに千倉で何軒もの別荘を設計し、自身も千倉にセカンドハウスを持つほどの地元通。「シンプルで、友人たちが集まりやすい建物を」という渡辺さんの希望を容れ、木肌が優しい感触のおおらかな別荘を設計してくれた。しかも、100m2余りで建築費約1800万円。完成後は、ほぼ毎週利用。「いまでは別荘に来るというより、帰るという気分です」と渡辺さん。魚はもちろん、農家直売の野菜、果物、それに花の安さもうれしい限りと笑う。
独身の渡辺さん(手前)の別荘にはいつも友人たちの姿が絶えない。「寒がりだから」冬はスキューバダイビングを休み、もっぱら釣り三昧。釣果はアジやイワシだ

≪DATA≫
所在地/千葉県千倉町
土地面積/132.43m2
建物面積/104.59m2
建築費/約1800万円
設計/黒木実(黒木実建築研究室)
03-3439-4190
http://homepage2.nifty.com/skyland

房総でもひときわ気候温暖な千倉に立つ別荘は、建築家設計のおおらかな空間が印象的。土地は借地で地代2万円/月 渡辺さんは八丁堀にあるスパゲッティ専門店のオーナーシェフ。キッチンの充実ぶりはさすがで、ここで腕をふるうことも多い

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