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2005/11/30更新

森を効果的に切り取るがらんどうの直方体

軽井沢・長谷川さん

内と外のダイナミックな落差
 中軽井沢。別荘地の林の中に浮遊する黒い立方体。中はほとんど“がらんどう”のこの建物が長谷川さんの別荘だ。がらんどうの筒状にするという考え方は最初からあった、と長谷川さんはいう。その理由のひとつはコストダウンだ。形状が複雑になればなるほど、間仕切りをつくればつくるほど建築費は上がらざるを得ない。シンプルイズベストの選択だった。
 「ただ、その箱を現状のように斜面に対して縦に置くか、あるいは横に置くかは、建築家の金さんと検討を重ねたところです。横に置けば開口部が広くなって眺望もいいんでしょうが、その分サッシが増えて熱効率が悪いし、コストも上がるんですね」(長谷川さん
 いっぽうで、パノラマビューを得たいなら外に出ればよいし、逆に室内から見える風景は絞り込んだほうがおもしろいのではないかという考え方もあった。内と外のダイナミックな落差を楽しもうというわけだ。先端を浅間山に向けた望遠鏡のようなスタイルはこうして決定した。

理想は半分軽井沢暮らし
 筒状の空間は、ベイマツ材を不定型な四角に組んだフレームに構造用合板を張って形成されている。強度をもたせるため、フレームはスチールで縫うように緊結した。室内はキッチンや収納、ベッドなどの機能をひとつの箱に納め、これに視線を遮る間仕切りの役割ももたせている。箱の裏側にトイレや浴室など水まわりを設けているからだ。
 空間を狭くしたくないため、家具は掘りごたつ式のテーブルがひとつ。長谷川さんはここで浅間山を眺めながら、読書をしたり、お茶を飲んだり、ときには仕事もこなす。
 「東京と半々ぐらいで仕事ができれば理想的なんですが」と長谷川さん。それに備えてロフトにはワークスペースも用意されている。

≪DATA≫
所在地/長野県北佐久郡軽井沢町
敷地面積/624.27m2  建物面積/71.72m2
工法/RC造+木造  着工/2003年9月  完成/2004年3月
設計/金 富雄(DESIGN OFFICE opposition) TEL 03-3449-5184
http://www.opposition.jp/
湿気対策と空間に浮遊感を与えたいとの理由から、筒は基礎と一体になった地階(玄関)の上に渡したRC造の2列の梁上にのっている。外壁はガルバリウム鋼板

浅間山に向けた開口部。断熱性を考えて3層ガラスの木製サッシが使われている。不定型な四角のフレーム材を縫い合わせているスチールが、デザイン的にもおもしろい効果をもたらした 木製サッシはフレンチドアで全開放できる。可動のサッシはすべて3層ガラス、フィクスの窓は複層ガラスを採用。壁は断熱材はもちろん空気層をとるなど、寒冷地対策には十分配慮した 基礎をそのまま立ち上げて、地階の玄関部分をつくった。この地階の上に2列の梁が渡されている。階段の奥は物置として使うことができる ここが寝室。ベッドの右下にキッチン、左下に地階への階段の入り口や収納、手前の下に洗濯機置き場がある。この箱を中心にぐるりとまわれる設計になっていて、視線をうまく遮っている

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