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2006/1/31更新

木漏れ日を浴びて潮騒を聞く宙に浮かぶ快楽空間

伊豆・ブランドリ邸

「世界一美しいビーチ」に別荘を
 伊豆半島の南端。下田市碁石が浜の高台にガルス・ブランドリさん、千枝子さん夫妻の別荘はある。白い外壁にオレンジ色の瓦をのせた南欧風の別荘が建ち並ぶ「下田・碁石が浜分譲地」の最上部、道路から急傾斜の階段を100段以上も上ったところに忽然と現れる建物は、高所だけに眺めは抜群。リビングの外に大きく張り出したデッキに出れば、目の前に太平洋の大パノラマが広がる。大島、利島はいうに及ばず、天気さえ良ければ新島や神津島まで一望のもとだ。
 原宿でスイスパンの輸入・販売業を営むブランドリさん夫妻がこの別荘を建てたのは5年ほど前のこと。海のないスイスで生まれ育ったガルスさんは、20代の頃、旅行でこの下田を訪れ海と砂浜の美しさが強く印象に残っていたのだとか。
 「そのとき、あまりにも美しかったので真っ白な砂浜に寝袋を敷いて、波の音を聞きながら眠りました。ここのビーチの美しさは世界一だと思いました」というガルスさんだから、別荘をと考えたとき、迷わずこの下田を選んだという。建物は千枝子さんの兄で建築家の鍋田道雄氏に設計を依頼。斜面を削らず、樹木の伐採も最小限にとどめて、まるで自然に抱かれるような心地よさを感じる空間に仕上げてある。

天然温泉の露天風呂も
 眺望も並はずれているが、この別荘にはもうひとつ並はずれて快適な空間がある。建物の裏手からのびる外廊下、そして階段の先にある露天風呂だ。雨よけの屋根こそあるものの、周囲に壁はない。湯に身を浸せば、見えるものは空と林ばかりで、まるで宙にぽっかり浮かんでいるよう。特に夕焼けに染まる空の下での入浴は至福だ。湯は蓮台寺温泉から引いた天然温泉で、無色透明。肌にすべすべして心地よい。
 「夫はスイス人ですが、温泉が大好き。温泉を楽しむためにこの別荘をつくったんですよ」というのは千枝子さん。屋内にもヒノキの浴室があり、こちらは肌触りのやさしさが格別。まさに風呂好きによる風呂好きのための別荘だ。

≪DATA≫

所在地/静岡県下田市
土地面積/2146.64m2
建物面積/101.36m2
工法/木造在来工法
設計/鍋田道雄(カムイ建築設計事務所) TEL:03-3265-1949

夏は鬱蒼とした樹木に囲まれるという露天風呂。洗い場ともで3畳ほどのスペースだ

屋内の風呂はヒノキ。海から吹き上げる強い風を逃がすため、この別荘は海に向かって三角形につくられており、浴槽も三角形だ リビングは2方向に建具を引き込んで、網戸、ガラス戸、雨戸が全開できる。居ながらにして300度の海のパノラマが望める仕掛けだ まるでツリーハウスのように見える露天風呂。母屋から渡り廊下と階段で続いていて、下からは入浴姿が見えないよう角度も計算されている

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