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2006/4/14更新

紅葉も新緑も雪景色もすべて湯舟で満喫

蓼科・T邸

履き物をはいて出かける別棟の風呂
 いったん外に出て、別棟の風呂に行く──日常だったらわずらわしい限りだが、別荘だったらそんな遊び感覚もあってよいのではないか。蓼科のT邸はそんなコンセプトでつくられた。
 RC造の平屋建て。プランはいたってシンプルだが、エントランス部分を半屋外的な空間とし、それをはさんで住居棟と浴室棟を分離させている。浴室まではわずかな距離とはいえ、薄暗い照明の渡り廊下のような空間を歩くことで、温かな風呂への期待をより高めようという仕掛けだ。

水面が地面の高さの露天風呂気分
 浴室に入ってもその期待は裏切られない。コンクリートとタイルの造作による浴槽は、縁の高さがほぼグラウンドレベルまで埋め込まれ、視線の高さに地面が見える。紅葉した木々が上から覆いかぶさってくるようで、まさに蓼科の自然と一体になった気分だ。
「浴槽の水面が、地面や湖面と同じレベルの露天風呂ってありますよね。ああいう感覚にしたかったんです」と設計を担当した建築家の岡村泰之氏。
 熱くなったら涼みながらビールを飲みたい、というTさんの希望で、浴室の窓の外に木製のテラスも設けた。建築家としては、サッシで景色を邪魔しないフィックスの窓をと考えたが、やはりビールの誘惑には勝てなかった。
 春になれば、あたりは新緑の装い。若葉を視線の高さに眺めながら入る風呂も、また格別ではないだろうか。

≪DATA≫

所在地/長野県茅野市  土地面積/1365.27m2  建物面積/71.82m2  工法/RC造
着工/2005年3月  完成/2005年7月
設計/岡村泰之・内田 洋(岡村泰之建築設計事務所) 03-5450-7613
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/okmr/
大野博史(オーノJAPAN)  施工/東洋観光事業

両サイドの壁に黒っぽいタイルを用いることで、視線を窓の外に集中させるようにした。天井、床、浴槽の縁にはヒノキが使われている

住居棟にもデッキを設け、外とのつながりを重視。左奥は半屋外のエントランスから別棟の浴室棟へと導くドア。別荘の出入り口でもある 一体に見えるが、右手にある浴室棟と左の住居棟は半屋外のエントランスで分離されている 山側は地面に半分埋め込んだようなスタイル。階段を下りてエントランス空間に導かれる 水面がほぼ地面の高さのため、風呂につかっていると、木立が圧倒的な迫力で迫ってくる

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