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2006/9/29更新

斜面に建つモダン建築。リビングは空につながる大空間

軽井沢・Y山荘

演出された視界のドラマチックな変化
 「ん?」。ここだと教えられた別荘の前に立ってもそれらしい建物がない、見えるのは金属製の門扉と、まっすぐに延びるブリッジのみ。その先には、空が広がっている。
 ブリッジを渡ると左手に玄関らしきドア。入ってすぐの階段を下りると、突然、スタジオのような広い空間が目の前に広がる。正面は一面のガラス戸で、天気さえよければ浅間山が間近に見えるという。
 「この視界のドラマチックな変化こそが、ここの狙いなんです」というのは設計者の谷内田章夫氏。アプローチに設けられたブリッジは、都市での日常とここで過ごす非日常をつなぐ懸け橋なのだ。

浅間山を正面に望む大空間
 軽井沢西部の別荘地。浅間山とほぼ正対する斜面に建つこの別荘は、斜面の上にある道路から建物の屋上にアクセスし、2階から1階へ、さらに地下室へと至るつくりになっている。中心となるのは1階にあたる部分のLDKで、広さは約40畳。浅間山に面した北側の一部が上部吹抜けで、開口部は高さ2層分(約6m)という開放感だ。壁面は、ボードなどの内張りがなく外壁のみ。鉄骨造で壁厚はわずか35mmだが高性能断熱材入りの壁材を使用しているため、寒冷地でもOKなのだとか。おかげで室内空間が広々としている。

自然を際立たせるシンプルなインテリア
 浅間山に面したLDKの開口部の外には室内と同じタイル素材で、床レベルもフラットなバルコニーがあり、広いLDKをいっそう広く感じさせている。
 しかもタイル、スチール、ガラスといった無機的な素材で構成され、モノトーンで統一。ストイックなまでのシンプルな大空間に、巨大なピクチャーウインドーから望める大自然の姿が限りなく目に優しい。室内にいながら自然に包まれていることを実感する、不思議に心地よい空間だ。

≪DATA≫

所在地/長野県北佐久郡軽井沢町
土地面積/1162.68m2  建物面積/189.81m2
工法/S造(一部RC造)  設計/谷内田章夫(谷内田章夫ワークショップ)
TEL:03-5155-8651
http://homepage3.nifty.com/yachida-workshop/index2.htm

バルコニーは、床面の素材も、高さもリビングと同様にし、リビングの延長のごとく林間に張り出させている。天気がよければ浅間山が正面に見える

ル・コルビュジェのソファが似合うシンプルな室内空間。キッチンとリビングを仕切る棚は、座れば目隠しの役を果たし、立てば空間が見通せる微妙な高さ 斜面の上の道にある門から建物に至るブリッジ。この敷地は斜面の下の道からでもアプローチが可能だったが、「それでは浅間山に背を向けたまま別荘に入ることになる。それに、休養に来て室内に入るためにいきなり階段を上るのはツライでしょう(笑)」(谷内田氏)と上の道から入るようにした 北側は上部吹抜け。1階の個室からは、吹抜け越しに窓外が眺められる

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