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2007/5/31更新

自らそば粉を育てるこだわりの趣味人の軽井沢暮らし

軽井沢・渋川さん

野外料理はお手のもの
 「こんなに、どうするの…!?」
この日初めて畑を見たという妻の信子さんが、目を白黒させる。取材に訪れたのは、秋まっさかりの軽井沢。目の前にはそばの実がたわわになっている。「うまくいけば40kg分のそば粉がとれると思うんだよね。400人分のそばが作れますよ」と、隣で夫の義彦さんが、してやったりという得意気な顔でうなずく。
  28年前から軽井沢に別荘を構える渋川義彦さんは、まさしく「こだわりの趣味人」。野外料理が得意で、夏場は3食ほぼすべてをここで食べるというテラスには、ダッチオーブンや七輪が出番を待っていた。ハムやベーコンといった燻製作りもお手のものだ。「自然の中でご飯って気持ちいいんだよね。軽井沢にいると、風で季節を感じるし」。春には山菜を、秋にはキノコをとったりと、軽井沢ジビエを楽しむことも多いという。
そば畑に立つ義彦さん。ほかに野菜畑もあり、食材の多くを自らまかなっている

「楽しいことしかしない」
プロのように見事に切り揃えられたそば。「打っていると集中して無心になれる」
 最近のこだわりは、そば。元来そば好きだったという義彦さんだが、「軽井沢そばの会」に入会したのをきっかけに、その奥深い世界にのめりこんでいく。06年にはそば打ち初段の免状を取得した。クルマで30分ほどのところに借りた畑では、先のとおり自らの手でそば粉を育てている。趣味が高じて…も、ここまでくればもはや趣味の域を超えているといえよう。
  この日は新そばだけを使って、そばを打ってくれた。「つなぎなしの十割そばは難しいよ。見た目はそばになっていても、いざゆでると切れちゃったりするからね」。そばを打つ姿は真剣そのもの、思わずこちらまで息をのんでしまう。無駄のない動きのすえ、できあがったそばをつまんでみると……「ちゃんとつながってる!」。家族一同、安堵とともに笑みがこぼれる。
  軽井沢での暮らしを聞くと、こんな答えが返ってきた。「ここでは楽しいことしかしないんだよね」。その極意があるからこそ、義彦さんのそばはしゃっきりと引き締まっているのかもしれない。
自ら樹脂を塗ったというこだわりのこね鉢で、手早くそば粉と水を混ぜていく ダイニングテーブルに道具を置けば、そこがそば打ち道場になる 3年前に改築したという別荘は、木漏れ日が心地よい林の中にある 本日のメニューは手打ちそば、出汁巻き卵、芋汁。しゃっきりしたそばは絶品
取材・文/松岡絵里 撮影/萬田康文 

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