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2008/5/21更新
空中に浮いたLDKの開口部が森の風景を高い位置で切り取る
K邸・軽井沢
3方向ガラス張りで森に囲まれた感覚のLDK
 週末は木立に囲まれて過ごしたいというオーナーに対し、建築家の西田司さんが提案したのは、建物を斜面の高い位置で接地させるプランだった。それによって別荘は森の中に浮かび上がる形になり、眺望は木立を高い位置で切り取った風景となる。
 「森の風景って、足元まわりより上のほうがきれいなんです。日がよく当たるから葉も育つし、木漏れ日なども望めますから」と西田さん。
  森に囲まれた感覚をより高めるためLDKの開口部は3方向に。左右の窓は開けられるが、最も広い正面はフィクスにした。開けられるようにすると、サッシの枠や手すりが視界を邪魔することになる。同じ理由でデッキも正面にない。ここでは視覚的な森との融合を、まず優先させたのだった。緑が濃くなる季節には、まさに樹海を漂う気分だろう。
奥に見える開口部は左の引き戸を開くことができ、外にはデッキが設けられている。ここと、この対称の位置にある引き戸を開くことにより、通風も申し分なし
キッチンの裏手にある浴室。この開口部からは左方向に下る斜面の森が眺められる
森がもたらすドラマチックなシーンを堪能
  「完成してから気づいたんですが、ここでは風が見えるんですね。遠くから木々が揺れはじめ、それが次第にこちらに近づいてくる。森の中ってこんなに豊かなんだって、はじめて実感しました」(西田さん)
  晴れた日には木漏れ日が、雨の日には木立を打つ雨音が、風の日には葉ずれのささやきが、この別荘にドラマチックなシーンをもたらす。浅間山の眺望を選ぶ別荘オーナーが多いなかにあって、あえて森の風景を選んだKさん。その選択に間違いはなかったと確信している。

<DATA>
敷地面積/2052.45mm2
延床面積/114.00mm2
構造/RC造+木造在来工法
設計/西田 司(オンデザインパートナーズ
045-650-5836
浴室と対称の位置にある書斎。ここからだと地面が近く中に浮いているという感覚はない 1階の玄関から階段でそのまま2階のLDKへ。訪れた人は、こうして暗く狭いところを通過することによって、大きな開口部のあるLDKの開放感をより強く感じることになる 別荘は左方向へ下っていく斜面に建てられている。1階部分はRC造だが、いわば丈の高い基礎という格好だ。半分以上が地面に埋まり、山側の部分で土圧を支えている
取材・文/PLUS ONE 撮影/坂田峰夫
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