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区画選びのポイント(1)

別傾斜地と平坦地はどっちが得か?

基礎工事費は高いが土地の価格が安く眺望のいい傾斜地

別荘地の区画としては、傾斜地が圧倒的に多いものです。傾斜地は、一般に開放的な眺望が楽しめるのが特徴です。

また、図でわかるように、地下何mまで基礎を掘り下げるかという凍結深度や、地上何十cmまで基礎を立ち上げるかという条件が同じなら、傾斜がきつくなるほど基礎は大掛かりになりますし、建物の工事自体も手間がかかる傾向があります。

そのため、建築費も高くなります。おおよその目安としては、傾斜角10度までの緩斜面で基礎工事費が平坦地の3〜5割増し、20度以上の急傾斜地では2倍になるそうです。ただ、急傾斜地は工事が大変だという認識が一般にも広まっていて売りにくいために、分譲価格を、平坦な区画より大幅に安く設定している別荘地があるのも見逃せない事実です。

なかには同じ面積で1000万円以上の価格差がついていることも。工事費の割り増し分を差し引いても安ければ、単純にコスト面ではお買い得といえます。仲介の場合はその差がはっきりついていないことが多いので、比較検討や交渉も大事です。

また、実際の区画の傾斜は、板を斜めに立てかけたような単純な形状ではなく、素人には角度の判断さえ難しいものです。傾斜地での建築経験が豊富な別荘メーカーや建築家などの専門家に見てもらい、コストを見積もってもらいましょう。それでも実際に木を切ってみたら、思いがけない急傾斜だったというケースもあるのです。

狭い傾斜地は基礎工事費が膨らむ可能性が大

同じ傾斜地でも基礎工事費が高くなるのは、区画が狭く、隣接区画との境界線までの距離がない場合です。距離があればなだらかに斜面をならすことで土壌を安定させられますが、距離がとれないとコンクリートなどで土留めの擁壁をつくる工事が必要になることがあるのです。また、基礎の長辺を斜面に対して平行に建てるか、直角に建てるかでも基礎工事費は大きく変わります。斜面の上と下の高低差が大きい直角タイプのほうが高くなりますが、基礎を2段にしてコストを下げることもできます。

建築工事にクレーンを使うログハウスは、斜面のどこに建てるかによって使うクレーンの大きさとレンタル費用が変わってきます。場合によっては必要なクレーンが敷地まで入れないこともあるので、土地を決める前にログビルダーに確認してもらいましょう。

すり鉢状の区画や川の流れる区画は地下に水がたまりやすく、基礎を高くしたり、排水溝を埋設する工事が必要な場合があります。

建築がしやすくプランの自由度も高い平坦な区画

工事の手間と費用がかかる傾斜地に比べて、平坦地は建築のしやすさが最大のメリットでしょう。基礎工事費も安くすみ、建築工事自体も進めやすいのです。

建築プランの自由度は高く、平屋で離れの茶室や浴室を設けるといった十分なゆとりと遊び心のある間取りにすることも簡単です。広いベランダやウッドデッキを設けて、アウトドアリビングにする人が増えていますが、傾斜地とは違って基礎工事費が高額になることもありません。

太い丸太を使ったログハウスを建てるにも、平坦地は好都合です。トラックやクレーンを建築現場のすぐ横まで接近させられるので、必要最小限の規模の機材で工事が進められるのです。別荘キットのセルフビルドを考えている方には、特に平坦地を探すことをお勧めします。

しかし、別荘地(特に山の別荘地)の中で平坦な区画は少なく、価格は高いという点がネック。ですから、完全な平坦地を求めるのではなく、別荘を建築するのに十分な広さの平坦な部分を含む傾斜地や緩い傾斜地も含めて、幅広くできるだけ平らな区画を探すのが現実的です。

落ち着いた雰囲気と庭の使いやすさが平坦地の魅力

コスト面や建築プランの自由さではまさる平坦地ですが、眺望など別荘地としての面白みに欠けるという人もいます。

たしかに遠くの山並みや海の眺めを楽しむ贅沢は望めませんが、これは考え方ひとつです。眺望は別荘地の中に展望台や広場、幹線道路などの見晴らしのいい場所があります。天気がよく、遠くの景色がよく見える日には、日中どこかに出かけてしまうことも多いのではありませんか?

木に囲まれて圧迫感を感じる人もいるでしょうが、森の中の落ち着いた雰囲気は魅力的です。特に雨の日のしっとりした雰囲気を、高く評価する人もいるはずです。

平坦な区画は海の別荘地によく見られるように、別荘地の規制が許せばガーデニングや家庭菜園を楽しむにも適しています。

また、別荘の使い勝手は平坦地に軍配が上がります。まず駐車場から玄関まで長い階段を上がる苦労がありません。風雨が吹きつける傾斜地よりも建物の傷みが少なく、維持管理は平坦地の別荘のほうが格段に楽です。定住することを考えた場合は、平坦な区画のほうが適しているのは間違いないところです。

山の別荘地では北向き斜面の区画は避けたい

山の別荘地では、北向きの斜面は冬の気象条件がかなり厳しいので注意してください。

日照時間が短いため、湿気が高くなる傾向がありますし、積雪があるといつまでも消えないで残ります。道路から中の敷地の除雪は基本的にオーナーの仕事ですから、体力的に大変そうだったら、敷地内の有料除雪サービスのある別荘地でないとお勧めできません。

場所によっては強い北風もダイレクトに当たるので、当然建物の寒さ対策は重要です。二重サッシや十分な断熱材を使った、気密性の高い建物を選びましょう。外壁の塗り替えなども少なくとも2年に1度くらいは実施しないと、建物の傷みが進む恐れがあります。

斜面の向きは南から東が使いやすいのは事実です。条件の厳しい北向き斜面はその分だけ一般に価格が安いのがメリットですが、年配の人や定住志向の人は避けたほうがいいでしょう。