別荘のチェックポイント(1)
気候・地形は建物の耐久性に影響する
もっとも厳しい季節に実体験を通して気候を調べる
最近のリゾートでは年間を通してずっと利用するケースが増えてきました。ひと昔前のように夏だけの避暑地、冬だけの避寒地というイメージは薄れています。それだけに1年間の気温や湿度の変化、雨や風の状態を確認したうえで場所を決めることが大切。定住を意識しているなら、なおさらです。いちばん気候の穏やかな時期に訪れて気に入ったからと衝動買いをしてしまうと、年に数カ月しか利用できないぜいたくな投資になってしまうかもしれません。むしろ観光ではあまり訪れない厳しい季節の気候をチェックすることがポイント。
ただし、統計的なデータだけを見ても本当のところはわかりません。平均気温はあくまで特定地域の平均的な姿です。風のない穏やかな日でも、町中と別荘地では気温が1〜2℃違うことも珍しくありません。まして地域ごとに特徴的な季節風などが吹くエリアでは、平均気温とは別に実際の体感温度はかなり低くなります。逆に夏場は蒸し暑そうな海岸近くのリゾートでも標高が50m違うだけで、心地よい海風が当たる過ごしやすい場所もあります。こうした実態を知るには、やはり現地に何度か足を運んで体験してみたり、地元の人に話を聞くのがいちばんです。
雪が残ると建物が傷みやすい、日照のよさも大切
暑さ、寒さは体の感覚だけの問題ではありません。気温の変化や雨風の強さ、あるいは積雪量の多さは、建物の寿命にも影響してきます。ポイントは地域全体の気候ではなく、局所的な風雨の状態。たとえば、丘の上の別荘では周りに遮るものがなく見晴らしがよいのは結構ですが、半面、天気が崩れると、吹きさらしの状態で横なぐりの雨が外壁に当たる。晴れれば晴れたで直射日光が壁に照りつけ、建築後4〜5年もたたないうちに、外壁の塗装がボロボロになってしまったケースもありました。
また山の中腹の雑木林などでも、ちょっとしたくぼ地で吹きだまりになる場所があります。それが道路から玄関までのアプローチの部分だったりすると雪かきも大変。日照の良しあしも大切です。日当たりのよくないところでは、春になってもベランダなどに根雪が残り、木の傷みが速いケースも。海型の別荘地では、台風や潮風、砂ぼこりの影響などが考えられます。実際に購入を検討している物件の敷地まわりを念入りにチェックしましょう。
傾斜地は山側道路が便利
一般の宅地の場合は、地面が平らになるように均一に造成されているのが普通ですから、敷地に対してどの方向に道路が接しているかを見ることでおよその状況はわかります。つまり道路付けによって日照・通風の条件がある程度まで決まってしまうわけです。
これに対してリゾートの場合は、敷地面積が広いうえに、もともとあった自然の地形を生かして建築するので、土地の形や勾配などもさまざま。道路付けによる影響はむしろ少なくなります。
したがって、土砂崩れや地滑りが起きない安全な場所かどうかさえ気をつけておけば、あとのポイントは地形が気に入るかどうか。たとえば眺望を重視するなら傾斜地。ガーデニングや庭でバーベキューをするなどアウトドアライフを楽しみたいなら平坦地。定住志向の人も平坦な敷地を好むようです。定住も考えているけれど眺望もほしいという場合は、道路が傾斜地の上(山側)にあるタイプを選ぶといいでしょう。一般の宅地の場合は道路付けの方位が問題でしたが、リゾートでは上下の位置がポイントになります。道路が敷地の山側になるか谷側になるかによって、アプローチのしやすさが変わるからです。
長持ちする建物は地盤と基礎が違う
腐葉土の堆積地、埋め戻し地など軟弱地盤に注意
何年にもわたって継続して建売別荘を分譲している大規模リゾートでは、そのエリアの自然環境・地形などを熟知しているので、その別荘地にふさわしくない工法やプランは採用しないと考えてもいいでしょう。ただ、なかには新興の建売業者などもいますし、地域の状態をよく知らないで注文建築で建てた別荘を中古で購入することも考えられます。安全、安心な建物のチェックポイントも知っておいたほうが賢明です。
安心して使い続けられるかという点で、もっとも大切なのは地盤の良しあし。軟弱地盤の土地では、不同沈下して建物が傾いたり、地震のときに揺れが増幅されるおそれがありますから、注意が必要です。たとえば、腐葉土が厚く堆積したような土地は軟弱で湿気もたまりやすいため、別荘の敷地としては好ましくありません。大雨の降った後に訪れて、いつまでもジメジメした状態が抜けない土地はあやしいと考えましょう。
また、木の切り株や岩をどけた跡を埋め戻した土地がたまにありますが、十分に締め堅めがしていないと、やはり軟弱地盤の部類に入ります。しっかりした地盤に建っているかどうか、販売担当者などに納得がいくまで確認しましょう。
基礎の高さは40cm〜50cm以上が好ましい
少しくらい軟弱な地盤でも基礎をしっかりつくれば耐久性に問題はありません。建物の工法にかかわらず、もっとも一般的なのが布基礎という建物の外周壁に沿って連続した鉄筋コンクリートの基礎を設ける方式です。
基礎のポイントは2つ。地面から土台までの高さと、地面の下、フーチング(基礎底盤)までの深さです。基礎の高さは、住宅金融公庫の基準で一般の住宅の場合に標準が30cmとされています。ただ自然のまっただなかにあるリゾートでは、地面から湿気が上がってきやすいので、できるだけ高くするのが望ましいのです。たとえば蓼科のある別荘地では50cmを標準にしていました。
基礎の深さは寒冷地の場合に重要なポイントになります。冬の冷え込みの激しい地域では、地面が凍結して土地が盛り上がってきますが、どのくらいの深さまで凍結するかを示す凍結深度が決まっています。基礎のフーチングがこの凍結深度より深いところまで達しているかどうか、販売担当者に聞くなどしてチェックします。水道の本管から敷地内に引き込まれる給水用の横引き管も、同様に凍結深度より下に敷いてある必要があります。建物の外周のどこかに止水栓があるはずですから、その位置が凍結深度より深い場所にあるか確認するといいでしょう。

